雲台5号機の製作について

 雲台五号機は

1.   NikonD200の専用雲台

2.   Manfrottoの重量の解消

3.   地ポジション撮影が可能

以上三つの命題を設けた。

この三つの命題を解決できる雲台は現在市場に出廻っていないので、自作することとした。

1号機はカメラ撮影部品のエツミ等が市販しているフラッシュ接続金具(アルミ4×30×L部材を多用した)で製作した。部材をあまり切断しなかったので、見栄えは悪いが製作過程で、ノウハウが手に入った。

 2号機は一脚撮影のみを考えていたので、簡単に作った。

 さて、3号機の製作となると部材の検討が大変だったが、keijiさんが複数のクイックシューを使っているのヒントとなり、構想が一気に進んだ。しかし撓みが発生し、使えなくはないが、ダサイ。4号機を作る前に、3号機のノウハウを整理、3、4の経験を基に実用プロタイプを目指す。

一.材料

1.アルミフラットバー8×50×300を2~3本

       3ないし4×40×60を1個

2.アルミアングル4×35×50×50を2個

  、3×50×50×50を2個

3.W3/8L6を1本、

  W1/4L20を1本、W1/4L15ボルト2本

4.皿ビスM5L=10(働き長さ5) 12本

5. W3/8六角ナット1個(出来ればUナットが良い)

6. W3/8鍔付ナット 1個

7.W3/8ワッシャー外径20

8.アルミパイプ厚1mm内径20(長さはUナツト頭高さ以上)

9.エツミ製W1/4メスーメスアダプター1個

10.アルミ棒直径40厚さ10を1個

11.スラストベアリング 1個

11.(オプション)Mnfrottoクイックシュー200PL−14  2組(ご自分が今使っている物と同じ場合は1組)

Back

二.道具

1.金鋸                      6.タップW3/8、W1/4、M5、

2.万力                     7.塗料(エアーボンベラッカー)

3.電動ドリル                  8.センターポンチ

4.金鑢                     9.金槌

5.ドリル刃8mm、3.2mm、5mm、6mm、10mm      10.(あれば)ノギス

H部材

W1/4穴は国産カメラ三脚の場合であり、外国三脚の場合はW3/8が多いので、W1/4で製作しW3/8はアジャスターで対応することとする。

W1/4穴の左右にスリットを作るのはノーダルポイントの微妙な調整が必要となる場合に必要。

Xはカメラ+レンズの組み合わせで決まる重要な寸法,KSはクイックシューの厚み

 スリットはノーダルポイントの位置合わせがどうしても必要な時にあければ良い。

V部材

ボルト穴W3/8は丸やすりでパイ10の穴にする。10mmドリルで開けても良い。

この穴はカメラポジション仰角、俯角用なので、インチねじでもメートルねじでも良い。太さも5mm程度以上なら、良いでしょう。締め付け用の鍔付ネジに合わせて購入すれば良い。締め付け機構にスラスト玉軸受を使う場合は最低10mmは必要となる。

M部材

アーム回転部の穴はV部材と同じ。

クイックシュー取り付け穴はクイックシュー側の穴に合わせてW1/とする、W1/4アダプターを用いることも可能です。スリットはレンズノーダルポイントの微調整が必要なときにあけても良い。

A2、A3部材

 アングル4×35×50×50を図の様な大きな溝型にするのでプレート4×40×60で補強してください。

クイックシュー取り付け穴はクイックシュー側の穴に合わせてW1/4とする。W3/8の穴にはW1/4アダプターを用いることも可能です。馬鹿穴でもいいのですが、ネジを緩めたときに、部品が落ちないようにネジにしています。

アングル二つ合わせの溝幅を狭くすると、天ポジションでの撮影のため、アームを真下にしようとしても、クイックシュー取り付けボルトのボルト頭が支柱Vに当たるので、溝幅を決めるときは十分検討してください。今回は35-4+35-4=62を確保しました。

A2、A3取り付けボルト

A2側はM部材とA2部材の厚みを越えて、クイックシューを固定するため、ボルトW1/4の長さは、M部材とA2部材の厚み+クイックシューの穴の深さ(8+4+10)が必要です。しっかり固定するためにもボルトW1/4を右図のように加工してください。

 A3側はA3の厚み+クイックシューの穴の深さ(4+10)が必要です。しっかり固定するためにもボルトを右図のように加工してください。(市販のカメラ固定ネジで代用できますが、しっかり固定するのであれば六角ボルトのほうが良い)

E4、N部材

E材はMやV材と同じように馬鹿穴にします。M、E、VをW3/8ボルトL=65(M+E+Vの部分のネジ山は削り落としておく)で縫い、ナット(Uナット)で締め付けますが、少し回転が出来る強さに締め付けてください、固定するための締め付けは鍔付ナットで行います。

組み立て、調整

 H部材とV部材は残りのアングルで組み立てる。カメラが前に出すぎているときは、M材のクイックシュー取り付けW3/8穴を鑢で後ろ側にスリットを作ってください。

カメラが支柱に近づきすぎているときは、H材の取り付けW3/8穴を鑢でスリットを作って、ずらしてください。

位置関係が決まれば、位置のしるしを刻み、塗装して完成です。

Back
5号機(画像をクリックすればObject.movで見れます。) ダブル・クイックシュー・アダプター付き5号機(格納時)

命名 ダブル・クイックシュー・アダプター

 市販のパノラマ雲台でカメラ撮影地ポジションで撮影は出来ても、三脚を消去するための撮影ができる装置はない。そこで4号機は市販パノラマ撮影雲台でもカメラ撮影地ポジションで撮影できるアダプター(命名 ダブル・クイックシュー・アダプター)を作ることにした。5号機もこれを搭載しアダプターは常時搭載タイプとした。。

 市販のアルミアングルとフラットバーで3号機のクイックシュー取り付け部と同じような溝型を作ります。溝幅は各自の雲台で支障をきたさない幅を考えてください。長くしすぎるとカメラと三脚をセットしたまま、三脚が倒れるので要注意です。

 出来れば、ご自分が使用しているクイックシューと同じ地物を写真のように取り付けてください。

 撮影の度に、アダプターを取り付けるのが面倒な方は3号機の様に固定してください5号機は固定タイプ。ただしボルトは加工する必要が生じます。

 撮影は、アダプター長さ+カメラ底からのレンズ軸距離×2の距離を三脚ごとずらして地ポジション撮影とします。

 日本製の一眼レフデジカメは正面から見て(カメラ縦使い)レンズ軸とカメラ底の固定ネジの位置が、上下にずれているカメラはほとんどないと思いますが、もしずれているとX,Y,に加えてH(上下方向)の調整が必要となり、雲台も複雑になります。

Back
Back